カラマゾフの兄弟を読む?まずは映画を!(2/2),,,
小説を読み進めていて、そして思い出した!
そう、その昔、映画化された「カラマゾフの兄弟」があったことを……
でも、あろうことか!?!ネット世界随一の大百貨店≒アマゾンドットコムに於いてしても検索難しく何度も失敗。 手堅いところで、まずは IMDb(Internet Muvie Data Bace)から資料を引き出しました。 英文資料ですが、ハリウッド映画に関しては一番詳しいし、洋画好きの方なら、この程度の英文の羅列は読み進めること可能と思います。
この映画、実は2回観ていたのです、、、。
一度目は、たぶん20年位前に、日本国某TV映画番組で、、、。
二度目は、かれこれ10年以上も前にブダペストで!!! 日曜日の遅い午後、下宿先のテレビをひねったらやっていたので2時間以上も掛けて全編を見ました。 まさしく、名優ユルブリンナー主演、超正統派美人女優マリアシェルの共演。
若くて溌剌とした(当時の)ユルブリンナーは、下級貴族カラマゾフ家の長男「ドミートリー・フョードルヴィッチ・カラマーゾフ」を演ずる。 いまだ若き退役元軍人(元陸軍将校)ドミートリーはハンサムボーイ、もてて仕方のない遊び人にしてセクハラ等ほど遠き時代の荒々しくも優雅に瀟洒なロシア流儀は玄人素人女性誰でも来いの即お手合わせ! 清濁合い混ぜ放蕩の限りを尽くしつつ烈しい性格にて高貴な心の持ち主は、映画の中で描かれた絢爛豪華にして広大且つ果てしないロシアの大地を背景に堂々と、19世紀のロシア世界で縦横無尽自由奔放にして痛快に立ち居振舞いバラライカにウオッカに酒池肉林となれば、何もかも美しすぎる映画の根底に漂うは御露西亜的(おろしやてき)情緒なり。 〆て!ユルブリンナー扮した不良中年的貧乏貴族を扱った映画だから痛快活劇風過ぎてたまらない、、、。
さすが1950年代のハリウッド映画ですぞ!
実に実に勢いあって、みごと、香り高い19世紀ロシア庶民&貴族文化のあれこれを画面いっぱいに描き切った美しき画像は、いまだに我が瞼に焼き付いて離れません。
たぶん、この映画を観たことが「密かなる原因」か? 私の経歴からして、とてもじゃないがロシア文学の枠をとっくにはみ出し世界文学の中でも最高峰に位置するであろうドストエフスキー小説なんて目にするのも手に取るのも恐れ多く、若し、この映画にユルブリンナーが主演していなかったら?若し、ハンガリー滞在中に、この映画をノーカットでテレビ上映しているものを観ていなかったら? こんにちの活字小説を以ってしてドストエフスキー作品「カラマゾフの兄弟」に挑むことはありえなかったのではないか!と、思えてなりません。
(第一回目に鑑賞した「我国某テレビ局」で放映したシロモノは、後半の裁判場面をほとんどカットしたものだから「肝心かなめ」の裁判シーンの内容意図不明となる。 長い長い裁判シーンをカットしてしまっては原作作品の意図伝わらず、意味不明の欲求不満にもなるようなストーリーは揺ぎ、アイデンティティー不在の映画に終わってしまったのです。 このあたり、映画でもキリスト教的宗教性やそれに沿った社会通念の理屈の応酬であったから、画面を観ていて退屈になる恐れあり。 さらに、キリスト教的基礎知識無き当時の映像編集者が「良かれ」と思ってカットしたに違いありませんが、結果非常にまずかった。 そう、出来上がった映画作品を、テレビ局の都合で絶対にカットしてはいけません……)
さて、
現代の日本人で、このみょうちきりんな超長編小説の読破に挑もうと考えている人は、一体全体どんな人か? たぶん、大学(しかもたぶん修士課程)で哲学や思想史を研究している人物が手に取る機会は在るはず。 どうやらこの小説の根幹には、哲学的・思想的・宗教的な次元に至る迄に、複数の人間の複数の葛藤が、各種ロシア風に複雑に絡みあっているようだ。 西洋哲学や思想史の研究者には、必読の小説かもしれない。 だからこの小説の通読には、キリスト教世界の哲学的基礎知識が必要になるか? カラマゾフの兄弟の物語の基本軸には、ロシア正教とカトリック及びプロテスタントあたりの違いが解っていないと、プロットの進む中の論点や小説の出演者の会話の機微など意味不明となってくるのではないか?
しかし、そんなに気負う必要もなさそうだ。
小難しいことも哲学的なことも、あれこれ取り纏めて、19世紀の西と東のヨーロッパ文化の相違、歴史的経緯も、小説の随所各所にちりばめられているからおもしろいです。
是非一度「映画・カラマゾフの兄弟」の鑑賞、お勧めします。 映画は、上述のような難関をいとも簡単に乗り越えてしまうから、楽なのです。 ここに映画の存在意義があるか。
もちろん原作の中にも、映画と共通する情緒的な情景描写的部分多々あり(確かに存在すると思います)、だからこそ、まず入門編として、1958年に制作されたハリウッド映画『Brothers Karamazov』の鑑賞、お勧めです、、、。 そう、我がカキトモ(書き友)ジェームス赤木氏に観て頂きたい映画であるぞ!!!
(2回連載で終わる予定でしたが、もう一度だけ締めくくりを書きます。はい、この小説の翻訳をめぐる語学のことか?)
(…続く…)
<投稿・トーマス青木>
*人気ブログランキング参加中!
人気blogランキングへ
そう、その昔、映画化された「カラマゾフの兄弟」があったことを……
![]() | Brothers Karamazov (1958) (1998/09/01) Yul Brynner & Maria Schell 商品詳細を見る |
でも、あろうことか!?!ネット世界随一の大百貨店≒アマゾンドットコムに於いてしても検索難しく何度も失敗。 手堅いところで、まずは IMDb(Internet Muvie Data Bace)から資料を引き出しました。 英文資料ですが、ハリウッド映画に関しては一番詳しいし、洋画好きの方なら、この程度の英文の羅列は読み進めること可能と思います。
この映画、実は2回観ていたのです、、、。
一度目は、たぶん20年位前に、日本国某TV映画番組で、、、。
二度目は、かれこれ10年以上も前にブダペストで!!! 日曜日の遅い午後、下宿先のテレビをひねったらやっていたので2時間以上も掛けて全編を見ました。 まさしく、名優ユルブリンナー主演、超正統派美人女優マリアシェルの共演。
若くて溌剌とした(当時の)ユルブリンナーは、下級貴族カラマゾフ家の長男「ドミートリー・フョードルヴィッチ・カラマーゾフ」を演ずる。 いまだ若き退役元軍人(元陸軍将校)ドミートリーはハンサムボーイ、もてて仕方のない遊び人にしてセクハラ等ほど遠き時代の荒々しくも優雅に瀟洒なロシア流儀は玄人素人女性誰でも来いの即お手合わせ! 清濁合い混ぜ放蕩の限りを尽くしつつ烈しい性格にて高貴な心の持ち主は、映画の中で描かれた絢爛豪華にして広大且つ果てしないロシアの大地を背景に堂々と、19世紀のロシア世界で縦横無尽自由奔放にして痛快に立ち居振舞いバラライカにウオッカに酒池肉林となれば、何もかも美しすぎる映画の根底に漂うは御露西亜的(おろしやてき)情緒なり。 〆て!ユルブリンナー扮した不良中年的貧乏貴族を扱った映画だから痛快活劇風過ぎてたまらない、、、。
さすが1950年代のハリウッド映画ですぞ!
実に実に勢いあって、みごと、香り高い19世紀ロシア庶民&貴族文化のあれこれを画面いっぱいに描き切った美しき画像は、いまだに我が瞼に焼き付いて離れません。
たぶん、この映画を観たことが「密かなる原因」か? 私の経歴からして、とてもじゃないがロシア文学の枠をとっくにはみ出し世界文学の中でも最高峰に位置するであろうドストエフスキー小説なんて目にするのも手に取るのも恐れ多く、若し、この映画にユルブリンナーが主演していなかったら?若し、ハンガリー滞在中に、この映画をノーカットでテレビ上映しているものを観ていなかったら? こんにちの活字小説を以ってしてドストエフスキー作品「カラマゾフの兄弟」に挑むことはありえなかったのではないか!と、思えてなりません。
(第一回目に鑑賞した「我国某テレビ局」で放映したシロモノは、後半の裁判場面をほとんどカットしたものだから「肝心かなめ」の裁判シーンの内容意図不明となる。 長い長い裁判シーンをカットしてしまっては原作作品の意図伝わらず、意味不明の欲求不満にもなるようなストーリーは揺ぎ、アイデンティティー不在の映画に終わってしまったのです。 このあたり、映画でもキリスト教的宗教性やそれに沿った社会通念の理屈の応酬であったから、画面を観ていて退屈になる恐れあり。 さらに、キリスト教的基礎知識無き当時の映像編集者が「良かれ」と思ってカットしたに違いありませんが、結果非常にまずかった。 そう、出来上がった映画作品を、テレビ局の都合で絶対にカットしてはいけません……)
さて、
現代の日本人で、このみょうちきりんな超長編小説の読破に挑もうと考えている人は、一体全体どんな人か? たぶん、大学(しかもたぶん修士課程)で哲学や思想史を研究している人物が手に取る機会は在るはず。 どうやらこの小説の根幹には、哲学的・思想的・宗教的な次元に至る迄に、複数の人間の複数の葛藤が、各種ロシア風に複雑に絡みあっているようだ。 西洋哲学や思想史の研究者には、必読の小説かもしれない。 だからこの小説の通読には、キリスト教世界の哲学的基礎知識が必要になるか? カラマゾフの兄弟の物語の基本軸には、ロシア正教とカトリック及びプロテスタントあたりの違いが解っていないと、プロットの進む中の論点や小説の出演者の会話の機微など意味不明となってくるのではないか?
しかし、そんなに気負う必要もなさそうだ。
小難しいことも哲学的なことも、あれこれ取り纏めて、19世紀の西と東のヨーロッパ文化の相違、歴史的経緯も、小説の随所各所にちりばめられているからおもしろいです。
是非一度「映画・カラマゾフの兄弟」の鑑賞、お勧めします。 映画は、上述のような難関をいとも簡単に乗り越えてしまうから、楽なのです。 ここに映画の存在意義があるか。
もちろん原作の中にも、映画と共通する情緒的な情景描写的部分多々あり(確かに存在すると思います)、だからこそ、まず入門編として、1958年に制作されたハリウッド映画『Brothers Karamazov』の鑑賞、お勧めです、、、。 そう、我がカキトモ(書き友)ジェームス赤木氏に観て頂きたい映画であるぞ!!!
(2回連載で終わる予定でしたが、もう一度だけ締めくくりを書きます。はい、この小説の翻訳をめぐる語学のことか?)
(…続く…)
<投稿・トーマス青木>
*人気ブログランキング参加中!

Comment
コメントの投稿
Trackback
http://butler13thomas.jp/tb.php/450-01fa5247