レッツ宮島「桜の鑑賞会」-No.3

<添付資料>:平成19年4月1日開催「レッツ宮島・桜の観察会」に於ける講義資料(講師:鈴峯大学・桝井秀雄教授)より転写引用・・
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今や日本全国、桜前線の話題と「お花見」の真っ盛り・・・
上記添付画像は、そんな桜前線という「熟語」を造らせた雑種の桜「ソメイヨシノ」の開花は、同型気候の地方にて「同時に開花」するソメイヨシノは、江戸期於いてに江戸の庭木職人の工夫により、「オオシマザクラ」と「エドヒガシ」なる2種類の桜の交配により「発明」された雑種であると、知るに至った。加えて、ソメイヨシノは「実を成さない」一代限りの「桜の木」である事から、代々「接木(つぎき)」により増殖されなくては品種絶え、凡そ5~60年経てば命尽きる「樹木」であると知った。
したがって、ソメイヨシノの遺伝子は変化せず進歩も変種もなく、同じ地域の「ソメイヨシノ」は同じ時期に同時に開花するから「桜前線」という言葉で総称される。桜前線的同時開花!これこそ、単一的遺伝子の為せる業である。と、講義にて伺い知った次第なのです。
「レッツ宮島・桜の観察会」の第1回投稿にも触れているように、日本の歴史のおける「桜を愛でる習慣」は、貴族社会より武家社会に引き継がれ江戸期に入り、広く一般庶民にも継承されるに至ったとの事。しかし、その時代に桜としての品種「ソメイヨシノ」は在ろうはずもなく、多くの場合、歴史上語り伝わっている「桜」は、山桜であるとも教わった、、、。
総じて、
古くから桜を愛でる日本民族の伝統と歴史の変遷あったこと等々、屈託なくリラックスムードの講義を進められる桝井先生は、人に物事を教える原則正しく且つ魅力的な話術にて、「日本人と桜の関係史」を締め括られた。
桝井先生の「桜の講義」の終わりの終わりに、「桜もち」の話になる。
「・・・?」
そうなんです。
おおよそ「ソメイヨシノ」の桜の葉では、「桜もち」を包めない、、、。
そう、お教え下さいました。
桜もちの「葉」は、「オオシマザクラ」の葉を使う!と、、、。(オオシマザクラは、伊豆大島・伊豆半島・房総半島に繁茂する桜の種であると聞く)
葉が大きく育つよう、この種の桜の木は「大きく育てない」為に、樹木の幹の生育途中にて切ってしまう。生育途中で切られた桜の樹木は、やたら多くの枝を伸ばし、多くの枝に多くの大きな「葉っぱ」を付ける。その葉っぱこそ、「桜もち」の和菓子製造に適しているのであると聞く。午前中講演の途中、育成状況をパソコン画像のスライドにて拝見する・・・
かくして、「桜もち」の起源は?
まずは歴史的背景をお聞きする、
「享保2年(1717年)初代山本新六が隅田川土手の桜の葉を集め、塩漬けにして桜餅を考案・・」云々、、、桜もち誕生の地「江戸は向島、長命寺」の山本真六なる新商品発案且つ商売の名人、(元々は)寺男の話から始まった。

講演の終わる頃を見計らったようにして、講演会会場に「2種類の桜もち」のパッケージは到着する。
上記掲載画像、左手前は「島根県松江市」から届けられた(たぶん京風か?)「桜もち」、右奥のパッケージは江戸前の「桜もち」、、、。
時はちょうど昼食の時間。お昼ごはんの後のおやつ?として、参加者一人当り「桜もち二個」ずつ、合計4ヶの桜もちを味わって欲しいという、主催者側の「粋な取計らい!」、、ですなぁ~。
そして、
これらの桜もちを含み、全て、今回企画の参加費(\1,000.-)に含まれているのです。

?(ほぼ、実物大です・・・)
上記掲載画像は「江戸前」の桜もち。
なぜか、さくらの葉は3枚!
中味の「お餅」よりも、桜の葉っぱの芳しき風味を味わう!?
『花よりだんご』ではなく、『だんごより葉っぱ』かい?
・・・これ、まさに江戸っ子気質か、、、。

上記画像、ボールペンの大きさと比較いただきたい。
大きな桜の葉っぱを3枚も使う「江戸前の桜もち」、とくとご覧頂きたい。また、松江から送られた「桜もち」は、宅配用?にパッケージされているけれど、江戸前の桜もちは「裸のまま」で届いていた。
主催者曰く、
「かのサクラモチは店頭販売限定にて、地方発送は一切受付しない、云々・・・」
・・・と、のこと。
したがって東京在住関係者御自ら、「某桜もち老舗」の店頭に赴き、購入の後、航空便にて発送された由。その後は、誰ぞ、広島空港に一っ走り、ピックアップされた由。まるでオリンピックの「聖火リレー」か、駅伝競技の「たすきリレー」の如くに、同鑑賞会の開催地「宮島」まで、関係者複数名が携わり、手厚く運ばれたとおっしゃる。ならば参加者全員、ありがたく食さねばならないのである、、、。

上記画像は「京風」なる島根県松江市の有名和菓子専門店の「桜もち」である。
松江における「和菓子普及」の権化、ご承知、松平 治郷(まつだいら はるさと)、高名な茶人にて、号は「不昧」(ふまい)。不昧公(ふまいこう)の伝統を今に継ぐ城下町としての「松江の気質」から、今尚、松江市内には多くの茶の湯とかかわりのある「和菓子」の製造販売業老舗は多い。ならば松江の「桜もち」も、西を代表するに値する和菓子になるか、、、。
「これが松江流京風さくら餅か!?」
恥ずかしながら、若き頃の私は、松江には3年間の在住経験あります。私、実は、「和蕎麦」大好き人間にて「出雲そば」の有名店を渡り歩いた記憶あれど、茶道を嗜むなど侘び寂びの世界など全く縁なく且つ理解できぬ人種。和菓子よりも洋菓子等を好んでいるのは今尚変わらず、かような姿の2種類の桜もちにめぐり合えたのも、レッツ宮嶋「桜の鑑賞会」に参加させていただいたおかげであります。
「・・・?」
「はい、桜もちの味は如何か!ですって?」
余りお聞きにならないで下さい。私メは、お菓子の撮影こそ真面目に実行したものの、元々「甘いもの」の苦手な左利き、ほろ苦き「酒精分の液体」を好む輩殻でありまして、私メの「割り当て分」は、どなたか別の参加者の追加賞味分として「手を出さずに」撮影現場を遠のいた次第であります。
「みやじま・桜の鑑賞会」の前章となった桝井先生の講座は、素晴しいものであった。今年、すでに4~5回目の「催し物」でるある、と聞く。来年も開催されると聞く。毎年、桝井先生の「桜のテーマ」は少しずつ内容の違うものを講義されている、と聞いたから、来年も参加したくなった。私にとって、桝井先生の桜のお話は「講演」というより、演壇上の講談師の「講釈談義」の舞台演劇にも感ずる、、、。
名講談師「桝井教授」の「さくら談義」を聴講した不肖トーマスの想いは、価値ある舞台演劇を鑑賞し終えた時の清々しき充足感か?
演劇会・バレー・オペラ等々、西洋風な舞台劇や音楽会の締めくくりには、アンコールは付きもの、、、。
そんなアンコールに喩えれる如く、究めつけの締め括りテーマとして、桝井先生の「桜の講義」の終わりの終わりに、「桜もち」の話になったのである、、、。
(投稿:執事のトーマス)
<・完・・>
* 続編「みやじまのサクラ」自主鑑賞会シリーズ連載中、こちらから入れます・・・
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下記、連載(第1~2回)投稿記事に戻りれます。
A)第2回掲載=No.2, レッツ宮島「桜の鑑賞会」(単独反省会?! on03,APR.2007) 『宮島探訪記』(第11回)4月3日投稿記事は、こちらから、、、
B)第1回掲載=レッツ宮島「桜の鑑賞会」on April Fool's Day? 『宮島探訪記』(第10回)4月2日投稿記事は、こちらから、、、
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<追記>:不肖・執事のトーマスより、、、
「NPO宮島ネットワーク理事長」濱岡寛次さまからお誘い頂き、レッツ宮島「桜の鑑賞会」の講演に参加し。そして取材のご協力を頂きましたこと、あらためて御礼申上げます。
たいへんありがとうございます。
カフェ&マガジン旅遊亭の「宮島の探訪研究」に際し、今後とも引き続き、ご指導ご鞭撻のほど何卒宜しくお願い申上げます。
Comment
[8] >刀舟さん・・
[7] こんにちは
やっと春期講習も終わり、時間が取れましたので、
とり急ぎ来訪致しました。
“桜もち”…
久しく食べたことがないですね。
私も、「甘いもの」の苦手な左利きでして…
しかし、勉強になりました。
また来訪させていただきます。
とり急ぎ来訪致しました。
“桜もち”…
久しく食べたことがないですね。
私も、「甘いもの」の苦手な左利きでして…
しかし、勉強になりました。
また来訪させていただきます。
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お久しぶりです。
>やっと春期講習も終わり・・
たいへんおつかれさまです!
この”桜もち”!
私にとりましては、たいへん珍しい「和菓子」なのです。
だから、撮影は真面目に、真剣に、、、。
にもかかわらず、結局は食さずに、そのまま午後のスケジュールに入りました。
昼食をとったのは、(鑑賞会参加者一同様とは別行動にて)午後2時頃、行きつけのレストランへ直行し、何も考えずに「かやくうどん」だけ、、、。
ところが、
夕刻帰宅してから、家族に叱られました。
「なぜ?どうして?・・・」
私の好むモノでないにしても、家族にとっては珍しい「和菓子」=江戸前と京風の「桜もち」!
いや、実は、
会場から退散するにあたって、こういう食すモノの「お持ち帰り」をお願いするのは、どうも苦手なのです。
しかし、今考えれば、大失敗かも、、、。
さて、
今から直ちに、独断雑記JOY!お伺いします・・・