チャペルコンサートに行った(3)・・;「室内楽コンサート鑑賞感想」

<添付画像>:ちゃぺるコンサート・シリーズVol.3・演奏会場にて、、
タイムマシーンに乗って19世紀、江戸下町か大阪の商家のご隠居さんか若旦那が、21世紀の現在に迷い込んだとしますか。 今ここに、琴・三味線の音色と音調に慣れ親しんでいる江戸中期の洒落者が居るとしよう。
日本伝統の音曲やそれに取り囲まれた遊びの文化に通じている「通な御仁」、突然この度の「チャペルコンサート」に迷い込んだら、さあ、彼らはどうするか!? 約1時間に亘り演奏される複数曲目の逐一に耳を傾け精神集中し、そしてクラシック室内音楽の美しさを100%感じ取ること可能であろうか?
おおよその答えは、出る! 答えは、否! まず上述の各項目、いずれを満足させるのも、到底無理であろう。
無理と思われる方もそうでない方も、右記

ならばもう一つ、食の小話。
高級料亭にて和食しか食した経験のない人が、突然パリの一流レストランに迷い込み、フレンチのフルコースを食せばどうなる! 逐一、クレイムとなって現われる。 前菜が出れば「たったこれだけか!」と文句を云い、「スープ」が出れば傍らのパンを食し切り、いざ、メインの「肉料理」が出る頃になると満腹を呈しつつ、次の「魚料理」が出れば、なぜこのような口に合う食材を早く出さぬか!もう満腹になってこれ以上は食せないではないか! 等と、怒りはじめるものの一口食し、残してしまう。 大名御膳か温泉料理のように、初っ端から「料理全部」を目の前に見せておかないと、納得できない。 いよいよデザートがでれば、もう一口味わっただけで、かくなる甘味は口に合わぬ、日本茶と一緒に3時のおやつに頂きたいものだ!と怒り心頭に達する。 最後の最後になってクレイムは頂点に達する。 つまりフルコース終わった後、白いご飯とお漬物とお茶が欲しいと言い出す、、、、。
かくしてチンプンカンプン? 順序もマナーも味わい方も、全く判っていなのであるからして、始末が悪い。 実はこの話、約30数年前にヨーロッパ旅行中に起きた珍事のひとこまである。 すなわち、実話なのです。
そしてこの実話、音楽鑑賞にも通じているものと感じています、、、。
さて、本日「チャペルコンサートVol.3」の鑑賞感想を記事にしなくてはならない。 実は、週末の3日間、昼夜に渡り考えた。 しかし、その結果、感想文は、どうしても書けないのです・・・
あまりにも奥が深すぎます。
弦楽器の生演奏は聴き慣れていないわけではないのですが、この度のコンサートに選曲されたジャンルの内、わずか2割程度しか聴いた経験無く、それでもって感想を述べるは「無知薄学」をさらけ出すようなもの。
ただ一つ、将来をになう若手クラシック音楽関係者に、お願い!あります。
くれぐれも、技巧を磨くことのみに走らないで頂きたい。
音楽とは、演奏するものも聴くものも互いに、感動し、楽しさ悲しさ、甘美・耽美・悲壮・苦悩・悲哀・郷愁・鼓舞・寛ぎ等々、共有するものであってほしく、何も小難しい技巧を駆使し、高度の技術を発揮し演奏するに傾倒して頂きたくない。 技巧を凝らせば、時に結果として、演奏者も聴衆も緊張しまくって疲れ果てる。 演奏会場における音楽は、聴衆を楽しませなくてはならぬはず。 楽譜の音符を追いかけるは「高等数学」の難題を解き明かす作業と類似しているけれど、私自身の求めるものは音楽という芸術を通してかもし出される「美的な時空」なのでありまして、ゆめゆめコンテスト審査員のような「耳」や「物差し」は持ち合わせていないのであります。
もって、お願いとは、もうすこし難易度の高くない素人の耳にも安直に通過する練習曲なども取り混ぜ、演奏曲目に加えて頂きたいのです。 こちとら恥ずかしながら、新しく目の前にぶら下がった「一つの曲」は、おおよそ100回程度聞き返さなければ、曲を理解する入り口にも到達できない不肖トーマスなのであります。 そして、肩の凝らないリラックスできる演奏会を、可能な限り頻繁に開催していただきたい、、、。
そして、あらためて、主催者のムッシュIijimaさん、演奏者の遠藤さん大前さんには、 「絶大なる拍手喝采」をお贈りしたい!
「・・・!!!!!」
さて、理屈っぽい「長い文章」も嫌われる!
そろそろ手仕舞いたします。
尚、シリーズ第一回投稿の際、tonoさんから頂いたコメントに対してのご返事やり取りあり。臨場感あって、これこそ感想文になるものと思います。 以下別添掲載しましたので、「鑑賞感想文」の補完として、ご参考にして下されば幸いです。
<3回連載・完>
(投稿:執事のトーマス)
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「第1回記事・コメントより引用掲載」
1)ふら~~と
(Posted by tono)2007.05.19 Sat 12:03
よってみましたが、チャペルコンサートですか。
いや、高尚なり。
音楽と言う物は、TPOで、同じ曲が七変化しますよね。
生で聞いた音楽と同じ物は、他の人は絶対に聞くことが出来ない。
目に見えず、形が残らない芸術って、他に思い当たりませんね。
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2)>tonoさん・・
(Posted by 執事のトーマス)2007.05.19 Sat 20:33
ふら~と、お立寄り・・・
殿下に於かれましては、たいへんありがとうございます。 執事トーマスにして、光栄の至りです。
さて、
A)チャペル≒神聖にして、高尚・・
B)主催者=ムッシュ音楽青年、若くして品性ただしき品格を具えた好男子・・
C)鑑賞者≒概ね高尚
D)鑑賞者の一員(不肖トーマス)=エセ高尚にて、美しく芳しき女性弦楽奏者の奏でる旋律の微細な狂いを斜聴したく孤軍奮闘するヒネクレ者、自称玄人モドキにして我儘的音楽鑑賞者?
かの日、午後になって天気晴朗となり、いささか気分明快となり、更なる気分転換を図りたく、以って「クラシック室内弦楽コンサート」会場に迷い込みました。
やはり、生演奏はそれだけの価値あります。
個人的には、結果良し!
クラシック演奏の世界も、演歌ポップス同様、ピンキリありますけれども、何しろ演奏会開催の回数増加し鑑賞者数の増加なくしてプロクラシック奏者の育成ならず。 可能な限り、この手の演奏会には出席したく考えます。 ま、ハンガリー滞在中(オペラ含め)毎月5~10回か?この手の演奏会に出向いています。 平均的入場料は80円~150円程度? 安すぎますか? 当時のハンガリーの物価比較からして、たぶん、今の日本物価換算でも1000円~1500円? 下手すリゃ広島カープ観戦市民球場入場料金より安いか?
「・・・?」
クラシック室内管弦楽鑑賞の値段! この度は一金900円也! 「チャペルコンサート実行委員会」ムッシュIijimaさんのおかげです。 我が街ひろしまにも、こういう企画の存在する時代になったこと、うれしい限りです。
これ?かなり安い!・・・
安すぎる? それで良い!
と、思います、、、。
(以上、コメント引用、終了)
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第2回掲載分記事はこちらから入れます・・
PS:尚、当コンサートのの演奏曲目に関し、チャペルコンサートを企画主催された「Satoshi Iijima Blog 我が道を行く」にて、詳しくご説明されていますので是非ご参照下さい。
「予習其の一」
「予習其の二」
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Comment
[78] >kenbou-7さん・・
[77] Nishinaya, 女社長さま・・
コメントありがとうございます。
さすがに、
焙煎人殿も、お気付きだったのですね!
しかし必ずや、生演奏にはミステイクあります。
だから「あの時」、『奥が深いのでして・・・』等と、自問自答つぶやき的に申上げたのです。
常識的に、それで良いのです。
鍵盤のあるピアノ、はたまたフィレットのあるギターと違って、ヴァイオリンの場合は特に、1/100mm単位の指の位置のずれで、違った音階になるのですから
気にしていません。
だから、演奏会の時などはミステイクを起こさないような曲目を選択すべきだと思うのであります。
でも何もかにもひっくるめて、
あの日あの時にしか体験できない「体験」を経験できたこと、Mr. Iijimaさんはじめ、遠藤さん大前さんには感謝。
そして、芸術家の一番喜ばれる「拍手」をあらためてお贈りしたいと思います。
さすがに、
焙煎人殿も、お気付きだったのですね!
しかし必ずや、生演奏にはミステイクあります。
だから「あの時」、『奥が深いのでして・・・』等と、自問自答つぶやき的に申上げたのです。
常識的に、それで良いのです。
鍵盤のあるピアノ、はたまたフィレットのあるギターと違って、ヴァイオリンの場合は特に、1/100mm単位の指の位置のずれで、違った音階になるのですから
気にしていません。
だから、演奏会の時などはミステイクを起こさないような曲目を選択すべきだと思うのであります。
でも何もかにもひっくるめて、
あの日あの時にしか体験できない「体験」を経験できたこと、Mr. Iijimaさんはじめ、遠藤さん大前さんには感謝。
そして、芸術家の一番喜ばれる「拍手」をあらためてお贈りしたいと思います。
[75] チャペルコンサートかぁ…
こんばんは〜!!
チャペルコンサートかぁ…行ったことないなぁ…。
行ってみたいなぁ…。
クラシック音楽は『のだめカンタービレ』知識しかないオレです…。。。
ポチ。
チャペルコンサートかぁ…行ったことないなぁ…。
行ってみたいなぁ…。
クラシック音楽は『のだめカンタービレ』知識しかないオレです…。。。
ポチ。
[74] するどい!
ド・ド素人の焙煎人も若干の雑音、音のずれのことを言ってました。なんでだろう・・・
わたしは息をのんで聞いてました。すご〜いって!
でも仕事帰りに
気軽にクラッシックを聴かせていただけるチャンスは
めったにないのでとても豊かでハイソな気分になりました。
S.Iijima氏に感謝しています。
わたしは息をのんで聞いてました。すご〜いって!
でも仕事帰りに
気軽にクラッシックを聴かせていただけるチャンスは
めったにないのでとても豊かでハイソな気分になりました。
S.Iijima氏に感謝しています。
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お久しぶりです。
10時間掛けて旧2号線を走られたのだそうですね。 20数年前は、これが常識的な走り方、たいへんおつかれさまです。
さて、
クラシック音楽のこと、
まして室内楽のこと、、、。
いかにも、なじみににくいジャンルだと思います。
でも、
若い時から(ちょいと無理して気取って頑張って)クラシックを聴いていたら、ひと年とった時、必ず「好い事」があります。
まずはビッグバンド? 交響曲あたりから入ると入りやすいです。
ブームのモーツアルトは(私的基準として)ダイナミズムを感じなく、ぶりっ子過ぎて面白くない、、、。
私なら、
A)各種、チャイコフスキー作曲のもの、
B)ヴェートーヴェンならば「田園」から、
C)ワーグナーのオペラ各曲、
ま、
そんなところからCD集めたらいかがでしょう。
それぞれ100回以上聞かなければ、クラシックの味は分からないけれど、一日あたり、せめて30分から45分、BGMで聞けば、交響曲の顛末は、音を通して頭に叩き込まれてしまいます。
奥が深く、何度聴いても厭きこなくて、結構おもしろいものです。
つまり、基本の基本は、クラシック音楽かもしれません。
それから10年かかって、ようやく室内楽の鑑賞にグレードアップなるでしょう。 けっこう難しいのです、室内音楽鑑賞は、、、。
だから、脳味噌の柔らかい時分から、早く取組んでおかないと、イザ、クラシックを聞こうと思ったときには感性受止頭脳的読解力は鈍ってしまい、それこそ何がなんだか分からなくなってしまいます。そうなると、単なるイナカの中年オジサンになってしまいますぞ。 (例えば、私のように?)手遅れにならぬよう、今から対処すべきです!